Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ版のススメ
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仮想プラットフォームとは

近年、インターネットサービスの業界では コンピュータの仮想化 というキーワードがクローズアップされています。

なじみのない方のために説明すると、コンピュータの仮想化とは、

「ハードウェアで構成されたコンピュータ上に、コンピュータの動作を真似るソフトウェアを動かし、そのソフトウェア上にオペレーティングシステムをインストールし、更にその上でアプリケーションを使用できるようにする技術。」

ということになります。

わかりやすくいえば、パソコンの上で別の架空のパソコンを動かすということをやるわけです。

こういう仮想プラットフォームを提供してくれるアプリケーションとしては、

VirtualBox (ORACLE)

VMware (vmware)

Virtual PC (マイクロソフト)

Xen (Citrix)

KVM (オープンソース)

などがあり、自己責任であれば基本的に無償でも利用可能となっています。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ 日本語Remix版 では、 VirtualBox VMware 用のインストール済み仮想ハードディスクイメージが準備されているため、これらを組み合わせてを利用すれば無料で簡単にUbuntuを使用することができます。

VirtualBox/Windows7上で使用中のUbuntu 10.04 LTS デスクトップ
VirtualBox/Windows7上で使用中のUbuntu 10.04 LTS デスクトップ

仮想プラットフォームの概念を図で示すと以下のようになります。

仮想プラットフォームの概念図
仮想プラットフォームの概念図

つまり、現在お使いのパソコンに VirtualBox VMware などの 仮想化アプリケーション をインストールして、作成した仮想ホスト(仮想パソコン)に Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ をインストールすれば、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、パソコン上で使っているWebブラウザやメールソフト、エクセルやワードなどのアプリケーションと同じ扱いで使用できるようになる、というわけです。

そして図のように複数の仮想ホストの並行動作も可能で、ライセンスさえ持っていれば仮想ホスト上でWindowsを使うことも可能です。

仮想プラットフォーム使用の利点と欠点

仮想プラットフォーム上での仮想ホストでは、オペレーティングシステムをインストールするハードディスクも仮想ハードディスクとして使用するのが普通で、一般に ハードディスクイメージファイル として扱います。

つまり、仮想システムのバックアップやリストアを行う場合、そのハードディスクイメージファイルを保存したり書き戻したりすれば良いだけなので、保守管理はとても楽になります。

また、 【クリーンインストールとデュアルブート】 のページで説明しているとおり、デュアルブート環境では UbuntuかWindowsかどちらか一方だけの使用 となってしまいますが、仮想プラットフォームを使用すれば普通のアプリケーションの切り替えと同じ感覚で 複数のオペレーティングシステムを並行使用可能 ですからとても便利です。

と、いいことづくめのように思える仮想プラットフォームですが、もちろん欠点もあります。

1.動作速度が遅い

上の図のように仮想ホストは、何段階ものソフトウェアの上で動作させなければなりませんから、実機のCPUが懸命に働いても高速な処理はあまり期待できません。特にもともと動作負荷が大きい動画再生などではコマ落ちや音声の途切れなどが発生しがちとなります。

2.高性能なハードウェアが必要

実用上不満のない動作速度を仮想ホストに求めるのであれば、実機で使用して「快適」と感ずる場合の、少なくとも2倍以上の性能のパソコンを使用しなければなりません。また、仮想ホストで使用するメインメモリは、実機に搭載しているメモリの中から使用しますから、その分大量のメインメモリを実装しなければならなくなります。

3.動作が不安定

最近の仮想プラットフォームは性能が良くなって、エラーなどの不具合はほとんど起こさなくなりましたが、実機の動作負荷が大きくなったときなどに仮想ホストの処理が極端に重たくなったりすることは避けられません。

例えば、Windows上に仮想プラットフォームをインストールし、仮想ホストとして Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ を動作させたとしても、その動作速度は大元のWindowsに比べると極端に動作が劣るのが現実ですから、結局こういう構成では お試しでUbuntuを使ってみるだけ ということで終わってしまうでしょう。

もしも Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ に快適なパソコンライフを求めるのが目的で、なおかつWindowsも手放したくなくて、排他使用になるデュアルブートインストールも避けたいのであれば、

「Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ をクリーンインストールして、その上に仮想プラットフォームをインストールして、Windowsを仮想ホストとして動かす。」

と、主客逆転する形での利用が望ましいでしょう。

理想的な仮想プラットフォームの構成図
理想的な仮想プラットフォームの構成図

仮想プラットフォームは既に試験、模索段階を終え、レンタルサーバーやサーバーホスティングなど商業ベースで実用となっています。

しかしそれはベースとなるハードウェアがクラスタストレージ+マルチプロセッサという高性能な環境であるのに加えて、用途もHTTP中心の通信サービスであるため、サーバー自体の動作負荷も比較的小さい、という使用条件になっているからです。

パソコンはどうしても「処理の瞬発力」が必要であるため、現時点で仮想プラットフォームはまだパソコン用途としては不十分、というのが現実ではないでしょうか。

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