Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ版のススメ
Ubuntuって何?   Ubuntuのラインナップ   Ubuntuの入手方法   インストールメディアの作成   インストールするパソコンについて   ネットワーク環境について   クリーンインストールとデュアルブート   "wubi.exe"でデュアルブート構築   仮想プラットフォームでUbuntu  

そもそもUbuntuって何?

簡単に言ってしまうと、

「インテルアーキテクチャのハードウェア上で動作させることのできるLinux(リナックス)で、ユーザーが簡単に無料で利用できることを目的に開発されているオペレーティングシステムの一種。」

となります。どういう意味かまったく解らない方も結構多いかもしれませんが、最近は自動車を運転するのに自動車の構造を知る必要がないのと同じで、こういう開発背景などは知らないほうが、むしろ当たり前かもしれません。

使いこなすためには仕組みをある程度理解しておく必要があった昔のパソコンと違って、最近のパソコンは最初からWindowsなどのオペレーティングシステムがインストールされて販売されているものがほとんどですから、実際にパソコンを扱うのにはこういった原則論的なな知識は不要です。

しかし Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ を自在に使いこなし、ちょっとした疑問を自己解決できるようになるためには最低限知っておいたほうが良い部分があります。

まずは最初に、これを感覚的に覚えておきましょう。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップが強固で安定な理由

パソコンの仕組みに疎い方でも、パソコンが、機械的・電子的装置を指すハードウェアと、ハードウェア上で動くプログラムであるソフトウェアから成り立っていることはご存知と思います。

そしてパソコンを含む現代のコンピュータのソフトウェアは、基本的な約束事や動作を担うオペレーティングシステムと、実際に文章を作ったり画像や動画を編集したりするためのアプリケーションソフトウェアから成り立っていることもご存知のことでしょう。

更にオペレーティングシステムは、アプリケーションソフトウェアとの橋渡しをするプログラム群と、ハードウェアとの橋渡しをするカーネルで構成されています。

細かい部分を無視して以上の内容を図で表すと以下のようになります。

コンピュータの基本構成の模式図1
コンピュータの基本構成の模式図1

更に、皆様が普段お使いのWindowsと Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ の相違を図で示すと以下のようになります。他のLinuxの例としてCentOSの例も挙げています。

コンピュータの基本構成の模式図2
コンピュータの基本構成の模式図2

数は多くありませんが、インテルアーキテクチャ機以外の、例えばマッキントッシュアーキテクチャ機にインストールして使用できるLinuxもあります。

この図を見てまず解ることは、青のブロックで示しているハードウェア(パソコンと考えてください)は、Windowsを使う場合も Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ を使う場合も、更にいえばCentOS、RedHatLinux、Debian/GNUなどに代表される、数百種類にも及ぶその他のパソコン用Linuxを使う場合も、同じ インテルアーキテクチャのパソコン で構わないということです。

WindowsをUbuntuに入れ替えてしまうと、当然Windowsは使えなくなってしまいます。

ところが、 デュアルブート(マルチブート) という方法を用いれば、現在インストールされているWindowsを残したまま Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ をインストールできますから、一台のパソコンでオペレーティングシステムを切り替えて使用できるようになり、Windows資産を無駄にしません。

デュアルブートインストールについては、 【クリーンインストールとデュアルブート】 を参考にしてください。

つまり、今皆様がお使いのWindowsパソコンのオペレーティングシステムである Windows XXX をそっくり取り外して Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ と入れ替えてしまえば Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ が使えるということで、これは他のLinuxでも大体同じと考えてください。 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ を使うからといって、パソコンに改造を加えたり、特別な周辺機器を買い足したりする必要はありません。

また、緑のブロックの上面をすべて同じ形で示しているとおり、それぞれのアプリケーションで作られる書類は、それを作成するアプリケーションの種類が同じであれば互換性があります。

例えば友人がマイクロソフトオフィスで作ったファイルは、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ に標準でインストールされる OpenOffice.org で読み書きすることが可能で、もちろんあなたがOpenOffice.orgで作成した書類は友人のマイクロソフトオフィスで読み書きすることができます。

その他、標準形式で保存されているテキストデータ、画像データ、動画データなども、それぞれのパソコン環境に実装されている対応アプリケーションで相互に読み書きすることが可能です。

つまり、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ とWindowsとでは、ベースであるハードウェアと最終的に作成するデータには互換性があって、その中間でシステム動作を担う カーネルを含むオペレーティングシステムのみ互換性がない と考えれば良いでしょう。

そしてこの互換性の無さが、例えば世の中に無数に繁殖している、Windowsを標的に作られた コンピュータウイルスに無敵である ことの理由となります。

またそもそもWindowのNTカーネルとUbuntuのLinuxカーネルは、設計思想も構造も全く異なるため、複数のアプリケーションを併用したときの安定性には後者に一日の長があります。

更にLinuxは、特定のアプリケーションの不具合がシステムを丸ごと道連れに停止させてしまう危険が少なく、それに加え、原則としてLinuxはプログラムのアップデート後の再起動は不要であるなどの利点も兼ね備えています。

コンピュータの基本構成の模式図2
コンピュータの基本構成の模式図3

結論として、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、

「Windowsに対してハードウェアとデータの互換性がありながら、強固で安定した動作をするオペレーティングシステム。」

といえるでしょう。

Ubuntuの生い立ちと現在

Ubuntuは2004年、英国のCanonical Ltd.より初期版がリリースされ、現在に至っています。

「Ubuntu」の名称の由来は、Canonical Ltd.の創始者マーク・シャトルワース氏(Mark Shuttleworth, 1973年9月18日 - )の故郷である南アフリカのズールー語で 「思いやりの気持ち」 で、開発コンセプトの「簡単で扱いやすいOSを」というコンセプトを表しています。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ 、Debian/GNU、CentOSなどのように、無料で配布されているオープンソースのOSは、「プロダクト(製品)」と呼ばずに 「ディストリビューション(配布物)」 と呼びます

また、配布している団体は「メーカー(制作会社)」ではなく 「ディストリビューター(配布者)」 と呼ぶ習慣があります。

Ubuntuの基礎となっているのは、オープンソースであるLinuxカーネルを用いた Debian/GNU と呼ばれる、オープンソースのディストリビューションです。

Debian/GNUはボランティアとして、Linuxディストリビューターの草分け的存在ですが、配布されるディストリビューションは非常に完成度が高い半面、扱いが難しいというマニアックな側面があります。

Ubuntuはその高い完成度を継承しつつ、初心者にも扱いやすい形に作り直されたディストリビューションといえます。

そしてその大元である Linux は、1991年、当時フィンランドのヘルシンキ大学の学生であった、リーナス・トーバルズ氏(Linus Benedict Torvalds、1969年12月28日 - )により開発され、配布が開始されたカーネルで、現在ではこのLinuxカーネルを用いたディストリビューションだけで数百種類に上るといわれ、世界の公開サーバーの大半を占めるのみならず、携帯電話や情報家電、パソコン周辺機器などの組み込みOS用のカーネルとして最大シェアを持っています。

Ubuntuは2007年頃から日本でも普及が始まり、現在では人気No.1のLinuxディストリビューションとなっています。

Ubuntuの10の特徴

無料で使えること

いくら「良いOSだから使ってみて!」と勧められても、扱ったこともない、まして実際に使えるかどうかもわからないOSにお金はかけたくないものです。ずっと以前に Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ と同じようなコンセプトでリリースされた Lindows というLinuxベースのアプリケーションがありましたが、有料ライセンスであったため壮大な失敗に終わりました。

お金を払っていない(CD-R代に数十円は必要かもしれませんけど)から、気に入らなければやめるだけ。「無駄なものにお金を払った...」という気持ちにはなりません。

制限ライセンスがないこと

Windowsの場合、パソコン一台ごとに有料ライセンスが必要、パソコンの構成が変わりすぎると申請が必要、ファイル共有は5〜10クライアントまででそれ以上増やしたければCALの購入が必要、など、マイクロソフト社の権利と利益を守るためにライセンス上の様々な制限があります。

利益を追求しない Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ にはそんな窮屈な制約はありません。ライセンス制限を気にせず、好きなだけ使い倒すことがでります。

パソコンを選ばないこと

Linuxディストリビューションの中でも、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ が最も秀でているところがこれ!。Windowsがインストール可能なパソコンであればほぼ間違いなくインストールできます。

他の多くのLinuxディストリビューションのようにデバイスドライバのインストールに頭を悩ます必要はなく、ほとんどのドライバはUbuntuがネットワーク経由で簡単にストールを担ってくれます。

インストールせずにテスト使用ができること

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、インストールCDとメモリだけを使った「テストモード」で起動することが可能ですから、インストール前に最低限の動作テストを行うことができます。安心ですね。

インストールが簡単であること

インストール作業はわずか7ステップ!!。インストール済みWindowsの初期セットアップより簡単です。

難解で有名な他のLinuxディストリビューションとは一線を画します。

システムが強固であること

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ のハードディスクフォーマットである ext4 は、不意に電源が遮断されたときのすぐれた復旧機能を持ち、高速なファイルシステムチェック機能と合わせてハードディスクの大容量化にふさわしい機能を提供します。

またWindowsとは異なるカーネル構造を持ち、あるプログラムが強制終了してもシステム全体の安定性を損なうことがなく、プログラム・セキュリティアップデートをしても再起動が不要である、など、強固なOS環境を誇ります。

ウイルス対策が不要であること

Windowsを標的としたコンピュータウィルスやワームは Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ には全く無力です。

これらの攻撃プログラムは、巨大企業マイクロソフト社への嫌がらせ的な愉快犯によって次々と作りだされるもの。オープンソースで無料のLinuxディストリビューションに対する攻撃プログラムを作る人はまずいません。もしいたとしても、世界中の優秀なボランティア技術者が、あっという間にたたきつぶしてしまうでしょう。

つまりオープンソースの世界では、攻撃プログラムが生まれる土壌も、それを防ぐためのアンチウィルスプログラムの市場も存在し得ないといえます。

余計な仕事をしないこと

アプリケーションの起動やファイル検索の見かけ上スピードを上げるため、更にアドウェアやコンピュータウィルスの流入を常に監視しなければならないため、また、アプリケーションごとにアップデートを頻繁に確認するため、そして対して効果のないデフラグを裏でこっそりと行うため、Windowsでは全体速度を犠牲にした大量のバックグラウンドプログラムが休みなく動き続けていてます。

そしてこのことが原因不明のエラーの多発といった本末転倒の悪循環に陥らせていることはご存知のとおりです(Windows Vistaでこれは頂点に達した感がありましたね)。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ はそもそもこういう 並行処理が得意 でありながら、その能力に甘んずることなく、こういう 見かけ上の快適さをアピールするための余計な仕事をほとんどやりません から、パソコン本来の性能をフルに発揮できます。

システムが高速であること

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ をはじめとするLinuxのハードディスク標準フォーマットにデフラグ作業が不要である理由は、拙著、 お便利サーバー.com の読み物、 Linuxとデフラグ で、若干の主観を交えながら初心者向けに解説していますのでご一読ください。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は余計な裏作業を必要としませんから、常に同じ感覚の高速動作を維持します。もちろんメインメモリの必要量もWindowsの半分以下で済みます。

また、ファイルシステムの ext4 はハードディスク上のファイルの断片化を起こしにくいので、原則デフラグは不要であり、長時間のデフラグによる作業中断や速度低下も起こりません。

アプリケーションのインストールがやさしいこと

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、ユーザーが必要とするアプリケーションはUbuntuが最適化した状態で、 無料で提供します

オフィススイートである OpenOffice.org を始めとして、画像や映像処理、ゲームに至るまで、専用のパッケージマネージャで簡単にインストール/アンインストールできますから管理も楽々です。

あくまで自己責任で...

Ubuntuに限った事ではありませんが、オープンソースのプログラムの使用は 自己責任 が鉄則です。

お手持ちのパソコンにUbuntuをインストールして解らないことがあったり、不具合があったりしても、パソコンメーカーに問い合わせても何も回答はしてくれないでしょう。パソコンはほとんどすべて、「Windowsでの使用」が前提となっていますから。

わからないことがあればUbuntuのユーザーコミュニティを利用したり、インターネット上で調べて自己解決を図るのが、オープンソースとの正しい付き合い方です。

「わからないことがあったら即メーカーのサポートセンターに連絡!」

という習慣を「当たり前のこと」と思っていて、解決できないときは「メーカーの責任だと思う」、という方は、Ubuntuの世界に飛び込む前にまずこの考え方を、

「わからないことがあったら自分で調べて自己解決する!」

に改め、「できないとき、失敗したときは自分の責任」という考え方に改めてください。

そして、それが改められない方、他人が作ったものを使うのに自分で責任を負うという感覚が理解できない方は、そもそもフリーウェアやオープンソースを利用すべきではない、というのがUbuntu、Linuxの世界観だとお考えください。

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Linux”は、Linus Torvalds 氏の各国における登録商標です。”Ubuntu”及びその他のプログラム名、システム名、製品名などは各メーカー、ベンダの各国における登録商標又は商標です。