Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ版のススメ
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全く異なるWindowsとUbuntuのディスク装置の呼び方

Windowsと Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ では、パソコンに接続されているハードディスクやUSBメモリなどの外部記憶装置、更にパーティションの呼び方が異なり、しばしば惑いの種になります。

例えばWindowsではハードディスクなどのパーティションを Cドライブ、Dドライブ とアルファベットで区別します。

一方 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ にはそういう考え方がなく、すべてのパーティションは 一つの"/(ルート)"以下にディレクトリとして格納される という感じで、記憶域の扱いの概念そのものが全く異なります。

この概念の違いを覚えておくことは、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ のインストールの段階からとても役に立ちますので、以下の解説をご覧いただいて基本的な概念と命名規則の違いを覚えておくことをお勧めします。

おさらい:Windowsのディスク装置名とドライブ名の関係

Windowsパソコンの「マイコンピューター」(OSによっては「コンピューター」)を開くと、普通は以下のような感じになっているはずです。

「コンピューター」を開く(Windows 7)
「コンピューター」を開く(Windows 7)

おさらいになりますが、ここで表示されているC、D、Eというアルファベットで表される ドライブ名(あるいはドライブレター) は、物理的なディスク装置そのものを指すのではなく、ディスク装置の記憶域を パーティション で分けられたものを指し、それぞれのパーティションに対して明示的に(通常は自動的に)ドライブ名が割り当てられたものが表示されています。

実際の物理ディスク装置とドライブ名の関係は、「管理ツール(コンピュータを右クリック→管理)」→「コンピューターの管理」から「ディスクの管理」を開くと見ることができます。

「コンピューターの管理」→「ディスクの管理」(Windows 7)
「コンピューターの管理」→「ディスクの管理」(Windows 7)

つまり、このシステムにおけるドライブCとドライブDは、物理的な一つのハードディスクである 「ディスク0」 を三つの区画に分け、そのうちの二つの区画をパーティション化してフォーマットし、ドライブ名C、Dを割り当てていることになります。

以上が、Windowsパソコンにおける物理ディスク装置とドライブ名の関係となります。

UNIXのディスク装置名とドライブ名の関係

一方の Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ のディスク装置の扱いは、他のLinuxディストリビューションと同じくその大元のオペレーティングシステムともいえる UNIX と同じとなります。

Windowsにおける物理ディスク装置は、上記のとおりシステムが認識した順に、 ディスク0 ディスク1 ディスク2 、となり、一般に ディスク名 と呼ばれます。この名前はシステムが決定するもので、ユーザーが任意に変更することはできません。

左の付け方はS-ATA、SCSI、USB、カードリーダーに接続されたドライブの場合で、オペレーティングシステムの種類によっては P-ATA(E-IDE) の場合に限り /dev/hda /dev/hdb /dev/hdc 、となり、左記の /dev/sd? とは別にデバイスファイル名が付けられます。

一方のUNIXでは、同じくシステムが認識した順で物理ディスク装置に、 /dev/sda /dev/sdb /dev/sdc 、と名前がつけられ、 デバイスファイル名 と呼びます。もちろんデバイスファイル名もユーザーが勝手に変更することはできません。

余談ですが、UNIXではデータだけではなく、コンピュータに接続された装置のそれぞれに 「ファイル名をつけてファイルの一種として管理し、入出力をおこなう。」 という、少し解釈が難しいですが管理上は合理的な方法をとっているため、物理ディスク装置でありながら「デバイスファイル名」と呼ばれるわけです。

物理ディスク装置と命名規則(WindowsおよびUNIX)
物理ディスク装置と命名規則(WindowsおよびUNIX)

さてご存知の通り、物理ディスク装置はそのままではWindowsでもUNIXでも(もちろん Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ でも)使うことはできません。まず 領域確保 を行う必要があります。

ディスク装置の領域確保(パーティションの作成)には以下のルールがあります。このルールは WindowsもUNIXも同じ です。

・ パーティションには基本パーティションと拡張パーティションがある。

・ 1つの物理ディスクには最大4つのパーティションを作成できる。

・ 1つの物理ディスクには1つだけ拡張パーティションを作成できる。

・ 基本パーティションには同じ容量の1つのドライブしか作成できない。

・ 拡張パーティションは任意の容量の複数の論理ドライブに分割することができる。

以下の図は、このルールに従って行ったWindowsとUNIXの領域確保の例です。

物理ディスク装置の領域確保の例(WindowsおよびUNIX)
物理ディスク装置の領域確保の例(WindowsおよびUNIX)

メーカー製パソコンの中には、図の ドライブ0の右端 に別の基本パーティションが確保してあって、Windowsや機種専用のリカバリデータが配置されているものも多く見られます(メーカーはリカバリ領域と呼んでいます)。

ハードディスク1台のみを内蔵している市販のパソコンの場合、ハードディスクに対してまるごと1つの基本パーティションが作成されているのが普通です( ドライブ0 )。

しかし実際には ドライブ1 のように、領域確保のルールに従って複数のパーティションを確保することがでます。

Windowsの場合は、 Cから始まるアルファベット ドライブ名(あるいはドライブレター) が、複数の物理ディスク装置にまたがって付与されていきます。

一方UNIXの場合は領域確保を行うと デバイスファイル名 の末尾に連番が付与され、 /dev/sdb1 /dev/sdb2 /dev/sdb3 、 という具合に パーティション名 が付けられていきます。

ファイルシステムフォーマットの基礎知識

物理ハードディスクは、領域を確保し、パーティションを作成しただけではファイルの保存などに使うことはできません。必ずオペレーティングシステムがアクセス可能な形式でフォーマット(初期化)する必要があります。

日頃パソコンを使っているときは、ディスクフォーマットの形式について意識することはまずないと思います。ここで最低限、基本的な部分だけここで押さえておきましょう。

実はディスクのフォーマットは意外に多くの種類があって、オペレーティングシステムによって利用できたり、できなかったり、利用できても制限があったりします。

Windowsの場合、古いWindowsシステムや容量の小さなメモリーカードなどでは、他のオペレーティングシステムや情報家電製品との互換性の高い FAT16フォーマット FAT32フォーマット などが使用されていることが多いのですが、一般的にはファイルシステムの管理能力に長けた NTFSフォーマット が使用されます。

一方の Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、管理能力とパフォーマンスの高さから近年多くのオープンソースオペレーティングシステムに採用されている ext4 を標準フォーマットとしています。

Ubuntuを始めとするLinuxは、ext4の他にも非常に多くのオープンソース開発のフォーマット形式を扱うことができ、ディストリビューションによっては ext3 XFS ReiserFS などの他のオープンソースフォーマットを標準にしているものも多くあります。

さて、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、それらのオープンソースフォーマットのほとんどすべてを利用できるだけではなく、Windowsの標準であるFAT16、FAT32、NTFSも読み書きすることが可能です。

一方のWindowsも、特殊なツールを使うことでほとんどのオープンソースフォーマットにアクセス可能です。

しかしながらオペレーティングシステムにとってのディスクフォーマットは、 読み書きできればどれも同じというわけではありません

WindowsおよびUbuntu 10.04 LTS デスクトップの利用可能フォーマット一覧
WindowsおよびUbuntu 10.04 LTS デスクトップの利用可能フォーマット一覧

上の表でお分かりと思いますが、Windowsは商用であるため、安定性や耐障害性をキープするために自社開発フォーマットのみのサポートとなりますが、一方の Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ は、「あくまで使う人の自己責任で」というスタンスにより、幅広いフォーマットをサポートしています。

WindowsとUNIX系オペレーティングシステムとの間でデータのやりとりを行う場合に FAT32フォーマット 形式のメモリカードやハードディスクが多く利用されるのは、フォーマットの仕組みがシンプルなだけでなく、双方のオペレーティングシステムが標準で読み書き可能であるから、という訳です。

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