Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ版のススメ
インストール前の準備   ドライブの起動順序の設定   テストモードで使用する   インストールの開始   タイムゾーンの選択   キーボードの選択   ディスクの設定(クリーンインストール)   ディスクの設定(デュアルブート)   ユーザー名とコンピュータ名の設定   Windowsファイルと環境のインポート   インストールの実行と完了   固定IPアドレスの設定   PPPoEによるインターネット接続   言語コンポーネントのインストール   デバイスドライバのインストール   プログラムのアップデート  

管理者アカウントとコンピュータ名の設定

このステップでは、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ における管理者の アカウント名とパスワード 、そしてネットワーク上での所在地情報となる コンピュータ名 を設定します。

その他の多くのパソコン用オペレーティングシステムの場合も、最初に作成したり設定したりするユーザーアカウントは管理者となりますが、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ における管理者とは少し意味合いが異なります。

つまり、他のオペレーティングシステムの管理者が、コンピュータシステムの管理者アカウントそのもので、全システムに対して常にアクセス可能な立場であるのに対し、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ の管理者はコンピュータシステム上はあくまで「一般アカウント」であり、 「必要なときに自分のパスワードを入力して管理者アカウントの作業を代行できる。」 という立場にあります。

この一見ややこしそうに見えるシステムは、ユーザーの利便性とセキュリティを程よいバランスで両立させたもので、Ubuntu独特のものとなります。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ のユーザーアカウントの概念や扱いについては、 【ユーザーアカウントについて】 を参考にしてください。

以下に「あなたの情報を入力してください」の設定ステップを示します。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップの「あなたの情報を入力してください」画面
Ubuntu 10.04 LTS デスクトップの「あなたの情報を入力してください」画面

以下、それぞれの項目についての説明です。

1.あなたの名前を入力してください

システム上の表示名です。ユーザーアカウント名ではなく、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ 上で、2.の項目で設定するユーザーアカウント名を表現するための、単純な「名前」となります。システムの制御には影響しない「ニックネーム」とお考えください。後から自由に変更可能です。

1バイト(半角)の大文字および小文字のアルファベット、数字、記号が使用でき、スペースを入れることもできます。

"Tanaka Taro"や"IchiroSuzuki"など、解りやすい名前を付けると良いでしょう。

2.ログインに使う名前を入力してください

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ 上で管理される ユーザーアカウント名 です。 1. を入力するとシステムが類推した名前を自動的に入力してくれますが、もちろん書き換えて構いません。

ユーザ名が長すぎると、ターミナルコンソールのプロンプトが長ったらしくなってしまい、後々の使い勝手が悪くなりますから、少なくとも8文字以下にすることをお勧めします。

ターミナルコンソールについては後述します。

ユーザー名は一度設定すると原則として変更はできません。また、あくまで管理上のIDですから厳密に自分を示すものである必要はありません。つまり管理者であるあなただけが管理上困らなければ良いだけですから、"taro"、"tantan"のように単純な短い名前を付けておくと良いでしょう。

ユーザ名には、 1バイト(半角)の 小文字のアルファベット、数字、"-(ハイフン)" が使用できます。スペースやその他の記号を入れることはできません。また、 先頭はアルファベット でなければなりません。

ところで、この部分には使えない文字や記号を入力しても警告が出ないことがあり、そのままウッカリ 進む(F) をクリックしていまうと、以下のようなダイアログが表示されます。

不正なユーザ名が入力されたときの警告ダイアログ
不正なユーザ名が入力されたときの警告ダイアログ

一度このダイアログが表示されてしまうと、 OK をクリックしても自動的にユーザ名がチェックされるようで、永遠にこのダイアログが表示し続けることになり(インストーラシステムのバグと思われます)、ハードウェアリセットでインストールを強制終了しなければならなくなりますので注意してください。

3.アカウントを安全に保つために、パスワードを入力してください。

前述 2. のユーザ名(ユーザーザカウント)に設定するパスワードです。任意の1バイト(半角)文字で設定します。インストール後に任意に変更可能です。

管理者として使用するパスワードですから、一般論でいえば「第三者に類推されにくい、英数字混じりの複雑な文字列。」を設定すべきですが、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ の利用が個人目的であり、衆人環視の元で使うのでなければ必要以上に難しいパスワードは必要ない、というのが筆者の考え方です。

また、 Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ では、管理者権限が必要な操作を行う場合はこのパスワードの入力を求められますから、あまりに長いパスワードを設定するとタイプするのが面倒です。

とはいえ、自分の誕生日や電話番号といったあからさまなものだけは避けたほうが良いので、例えば彼女(彼氏)や子供などの誕生日、"Tanaka"さんであれば"tnk"などを設定すると良いと思います。

短すぎる、あるいは単純すぎるパスワードなどを設定すると、設定画面上で警告されますが、ちゃんと設定されますので無視して構いません。

4.このコンピュータの名前を入力してください

このパソコンに、ネットワーク上の識別名としての名前を付けます。インストール後に変更することは可能ですが、LAN内の他のパソコンとやり取りする情報ですからみだりに変更することは望ましくありません。 1. を入力するとシステムが類推した名前を自動的に入力してくれますが、もちろん書き換えて構いません。

コンピュータ名には、小文字のアルファベット、数字、"-(ハイフン)" が使用できます。スペースやその他の記号を入れることはできません。また、既に同じLAN内に存在するコンピュータ名(他のオペレーティングシステムを含みます)と同じものを付けることもできません。

家庭内のLANでWindowsファイル共有を利用している場合は、そのルールに従って名前を付ければOKです。

Windowsファイル共有を利用していない場合は適当で構いませんが、後々Windowsファイル共有を使い始めたり、パソコンの台数が増えたりする可能性を見越して、"tanaka-ubuntu-pc01"のように名前を付けておくと良いでしょう。

5.ログインスタイルの選択

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ が起動したときの認証方法の選択です。

「自動的にログインする」 を選択すると、パスワードによる認証画面が表示されず、自動的に現在設定しているユーザーアカウントでログインしてデスクトップ画面が表示されます。

これは一見便利そうに思えますが、このログイン方法を選択すると、認証システムは「このアカウントは正規にログインされたものではない」とみなし、システムレベルではなくユーザーレベルでの設定変更についもいちいちパスワードを要求されます。従って結局は面倒が多くなりますから、これは選択すべきではありません。

「ログイン時にパスワードを要求する」 を選択すると、ログイン時にパスワードによる認証画面が表示されます。

上記「自動的にログインする」とは違って一度パスワード認証が行われるので、オペレーション中は管理者権限が必要な場合にのみ、同じパスワード入力が要求されます。通常はこれを選択します。

「ログイン時およびホーム・フォルダの復号化時にパスワードを要求する」 を選択すると、表面上の振る舞いは「ログイン時にパスワードを要求する」と同じくログイン時にパスワードによる認証画面が表示されますが、個人のデータを保管しているホームフォルダ(Windowsでいう「マイドキュメント」または「ユーザーのファイル」のフォルダ)の暗号化が行われます。

つまり、自分のユーザーアカウントでログインしない限り、ホームフォルダの内容は暗号化されたままで、他人のユーザーアカウントでログインしても内容を見られることはありません。

パソコンの個人利用ではここまでのセキュリティは不要と思われます。

管理者アカウントとコンピュータ名の設定例

以下に設定例を示します。

Ubuntu 10.04 LTS デスクトップの「あなたの情報を入力してください」の設定例
Ubuntu 10.04 LTS デスクトップの「あなたの情報を入力してください」の設定例

ここで 進む(F) をクリックすると次のステップへ進みますが、デュアルブート環境を構築する場合は既存のWindowsのユーザーデータの一部を Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ の管理者ユーザーアカウントのホームフォルダにコピーすることができますので、

・ オペレーティングシステムがインストールされていないパソコンに Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ をインストールする場合、またはインストールされているWindowsを削除して Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ に入れ替える、という場合は 【インストールの実行と完了】 へ。

・ 現在インストールされているWindowsを残し、デュアルブート環境で Ubuntu 10.04 LTS デスクトップ をインストールする場合は 【Windowsファイルと環境のインポート】 へ。

と、それぞれ進んでください。

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